国内の製薬会社として参天製薬が知られています。MRとして転職を考えるとき、参天製薬は選択肢の一つに入ります。眼科領域に特化した参天製薬のMR求人へ応募し、中途採用で活躍するのです。

ただ、眼科領域に特化していることは分かっていたとしても、参天製薬にどのような強みや特徴があるのか詳しく理解している人は少ないです。

MRとして転職するとき、求人先企業のことを理解したうえで志望動機や退職理由を考え、履歴書を作成したり面接に臨んだりしなければいけません。そこで、参天製薬の特徴について確認していきます。

参天製薬の歴史

企業にどのような特徴があるのかについて、その歴史を知ることは重要です。なぜ、参天製薬が眼科領域に特化したのかについては、その歴史を紐解けば理解できるようになります。

1890年、田口謙吉によって大阪で田口参天堂が開業されたことが参天製薬の始まりです。このときから医薬品を売っており、ヘブリン丸という風邪薬が主力製品でした。

そうして創業9年目の1899年、田口参天堂は大学目薬を発売します。それまで、点眼薬は一般的ではありませんでした。ただ、田口参天堂が大学目薬を発売して世の中に広めたことによって、点眼薬が一般家庭に普及するようになったのです。

1899年、参天製薬は東京朝日新聞に「世の進むに従い、目薬にもこんな立派なものができました」という広告を載せました。当時、点眼薬が珍しかったのと、こうした自信にあふれた広告が出されたことで大学目薬はさらに知られるようになりました。

いまでは当たり前の点眼薬ですが、それを日本に広めた会社が参天製薬です。現在でも、大学目薬は目の炎症を抑える薬として販売されています。

事業拡大のため、1925年には参天堂株式会社が設立されます。このときの主力製品は風邪薬の「ヘブリン丸」「参天セキ薬」、点眼薬の「大学目薬」、便秘薬の「健通丸」でした。

また、その後に一般用医薬品(市販薬)の取扱製品を拡大し、胃薬や駆虫薬、下痢止め、鎮痛剤などを販売するようになります。

眼科中心の事業へ特化する

1941年になると、太平洋戦争が始まります。このとき、参天製薬は本社、高麗橋工場、中崎町工場、桜川工場を焼失します。それまで稼働していた工場がなくなり、人員整理を余儀なくされるなど戦後は苦戦する時期が続きました。

そこで事業を整理するため、1952年には目薬を中心として事業展開を行うことに方向転換しました。戦争がなければ、現在のように参天製薬が眼科領域に特化している会社ではなかったかもしれません。

1958年は参天製薬に名前を変え、医療用医薬品へ参入します。例えば1962年にはロシュ社から、瞳孔を広げることで手術や診断を行いやすくさせる薬としてミドリンP(一般名:トロピカミド)の販売権を得るようになりました。

その後、抗生物質入りの点眼薬、眼圧を下げて緑内障を治療する点眼薬、目に潤いをもたらせてドライアイを治療する点眼薬、ステロイド剤を含ませることで炎症を強力に抑える点眼薬など、数多くの製品を取り揃えています。現在、参天製薬が生み出す収益の約9割は医療用医薬品です。

また取り扱う製品は点眼薬に限りません。他社と協力することで、眼科領域に関わるバイオ製剤の販売も行っています。例えば、加齢黄斑変性治療薬のアイリーア(一般名:アフリベルセプト)は抗体医薬品であり、注射によって病気の症状を改善させます。

このように眼科領域であれば、目薬に限らず注射薬を含め、病気の症状を改善させるための薬を幅広く取り扱っています。眼科領域に特化し、目薬でのトップ企業が参天製薬です。

参天製薬でのMRの営業評価

それでは、参天製薬で働くMRはどのような営業評価を受けるのでしょうか。参天製薬は内資系企業であり、評価制度は典型的な日本企業に則っています。

日本企業では、どれだけ優れた営業成績を出したとしても仕事のできない人と給料がほぼ同じであることが多いです。これは参天製薬でも同様であり、大きな成果を出したとしてもそこまで年収に差はありません。

MRの場合、内資系企業であっても営業成績によってボーナス額に大きな差が表れる会社が存在します。ただ、そうした評価制度ではないため、あまり大きな成果を出せなくてもそれなりの給料は確保されます。その一方で大きな成績を残せる人にとってはモチベーションが上がりにくいです。

良い意味でも悪い意味でも年功序列であり、役職が上がらないと高い年収を実現することはできません。

参天製薬の特色・評判

眼科で大きなシェアがあり、眼科医からは大きな信頼を得ている会社なのでMR活動は非常に行いやすいです。

ただ、自社製品の開発力は低いです。他社からの導入品がほとんどであり、他メーカーが開発した有効成分を点眼薬として売り出すときに参天製薬のMRが活躍することがほとんどです。

ただ、点眼薬であれば緑内障治療薬や抗炎症薬、抗菌薬などすべての眼科領域の薬をフルラインで取りそろえています。眼疾患であればどの病気にも対応しているため、眼科医と話すときは話題に困りにくいです。

年収については、同業の製薬会社MRに比べると低めです。ただ、営業手当(日当)は非常に手厚く、1日3800円です。日当は非課税であり、月20日働くとなると「3800円×20日=8万4000円」の副収入を得ることができます。

なお、講演会などが土日に入って出勤することはあるものの、そこまで頻度は高くないです。他社MRに比べると、ワークライフバランスは取りやすいといえます。

女性MRについては、産休や育休、時短勤務を含めて徐々にママMRが活躍するようになってきています。ただ、女性MRの数自体はまだ少ないのが現状です。

有給休暇については、非常に取りやすいです。どの製薬会社でも同じですが、MRであると有給休暇を拒否されることはほとんどありません。

参天製薬の主要製品

眼科領域で特に強みを発揮している会社が参天製薬です。

かつて、参天製薬は眼科領域だけでなくリウマチの領域でも強みがありました。ただ、現在はリウマチ事業を売却し、眼科に特化してビジネスを展開しています。

眼科

眼科とはいっても、緑内障、白内障、アレルギー・抗炎症、感染症、角膜疾患(ドライアイなど)、網膜疾患など疾患は多岐にわたります。こうした製品群を保有し、すべての眼科領域をカバーしています。

・緑内障治療薬:チモプトール(一般名:チモロール)

目は房水と呼ばれる水で満たされていますが、房水の量が多くなると眼圧が上昇してしまいます。そこで、房水が作られないように働きかけることで眼圧を下げ、緑内障を治療する薬がチモプトールです。

チモプトールはβ遮断薬と呼ばれる種類の薬です。目にはβ受容体と呼ばれるスイッチがあり、β受容体を阻害すると房水が作られなくなります。こうした働きをする薬がβ遮断薬です。

・緑内障治療薬:レスキュラ(一般名:イソプロピルウノプロストン)

・緑内障治療薬:タプロス(一般名:タフルプロスト)

同じように眼房水の量を下げることで緑内障を治療することを考えたとき、「房水の流出を促す」ことによっても実現することができます。こうした薬がレスキュラやタプロスです。

レスキュラはプロスタグランジン製剤と呼ばれ、目に存在するプロスタグランジン受容体に作用します。これによって眼房水の流出を促し、眼圧を低下させることができます。

・白内障治療薬:カリーユニ(一般名:ピレノキシン)

加齢によって水晶体(目のレンズ)が濁り、見えにくくなる病気として白内障があります。白内障はタンパク質の構造が変化し、機能を果たせなくなること(タンパク質の変性)によって起こります。

そこでタンパク質の変性を抑え、水晶体の濁りを抑制する薬としてカリーユニが用いられます。既に症状が進んでしまった白内障にはあまり効果がないため、初期の白内障に対して用いられます。

・抗アレルギー薬:リボスチン(一般名:レボカバスチン)

・抗アレルギー薬:アレジオン(一般名:エピナスチン)

花粉症をはじめ、アレルギー性鼻炎では目のかゆみや充血などの症状が起こります。また、アレルギー症状に伴って目に症状を生じることはよくあります。

こうしたアレルギー症状はヒスタミンと呼ばれる物質によって起こります。そこでヒスタミンの働きを阻害できれば、アレルギー症状を軽減できます。ヒスタミンの働きを阻害する薬を抗ヒスタミン薬といいますが、リボスチンやアレジオンは抗ヒスタミン薬の点眼薬です。

・ステロイド剤:フルメトロン(一般名:フルメトロン)

結膜炎、角膜炎、ブドウ膜炎、手術後の炎症などの炎症症状に対して幅広く用いられる薬としてステロイド剤があります。ステロイドとはいっても、点眼薬として目だけに作用するので副作用はほとんどありません。

フルメトロンはステロイドの点眼薬であり、炎症を強力に抑えます。アレルギー症状も炎症の一つですが、アレルギーに限らず炎症症状が強い場合に活用されます。

・抗菌薬:クラビット(一般名:レボフロキサシン)

・抗菌薬:タリビット(一般名:オフロキサシン)

感染症の中でも、目に細菌が感染することで病気を引き起こすことがあります。例えば、結膜炎、麦粒腫(ものもらい)、眼瞼炎、角膜炎などです。こうした症状を治療するとき、細菌を殺すことで感染症から立ち直ることを考えます。

抗菌薬としてクラビットやタリビットなどは内服薬でも広く活用されますが、これを点眼薬として応用し、参天製薬が発売しています。眼疾患の感染症に対して、多くの人に処方されています。

・ドライアイ治療薬:ヒアレイン(一般名:ヒアルロン酸)

・ドライアイ治療薬:ヒジクアス(一般名:ジクアホソル)

目が乾燥すると、目がゴロゴロしたり見えにくくなったりしてしまいます。いわゆるドライアイの状態であると、目で見るのが辛くなるのです。また、ドライアイを放っておくと目が傷つき、角膜炎などに発展することもあります。

そこで、目の乾燥を防いだり涙の量を安定させたりしてドライアイの症状を改善させるようにします。

・加齢黄斑変性治療薬:アイリーア(一般名:アフリベルセプト)

目に存在する黄斑(おうはん)と呼ばれる部分のタンパク質が機能を失い、目が見えにくくなる疾患として加齢黄斑変性があります。加齢黄斑変性では、脆い血管が新たに目で作られるようになります。このときの血管が壊れることで目にダメージが起こって視力が弱くなっていきます。

そこで、目で新たに血管が作られる過程を阻害することができれば、加齢黄斑変性による視力低下を防げるようになります。アイリーアは抗体医薬品と呼ばれ、血管が新たに作られる過程を阻害することで加齢黄斑変性を治療します。

参天製薬のMRへ転職し、活躍するための準備をする

眼科領域に特化したスペシャリティファーマとして、参天製薬は眼科医からの評価が高いです。眼疾患でのトップ企業であるため、他社MRに比べるとMR活動自体は非常に行いやすいです。

また、典型的な日本企業であるため外資系製薬会社のように営業成績が悪いからといってリストラされることはありません。成果を出せていないとき、ボーナスが大幅に少なくなることもありません。

その代わり、前述の通り営業成績の大きいMRにとっては不満が残るかもしれません。また、MR業界の中ではそこまで年収が高いとはいえません。

ただ、ノルマ(数字)に対してうるさくいわれるわけではなく、医師からも信頼されている会社であるため、他社に比べてMRとして活動するときのストレスが大幅に少ないのは非常に優れた点だといえます。

参天製薬のMRとして中途採用での応募を検討する場合、ここまで述べてきたことに注意したうえで求人へ応募してみてください。会社ごとの特徴を把握することで、履歴書や面接などの面で採用されやすくなります。


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