MRは転職が活発な業界の一つとして知られています。製薬会社のMRは非常に給料が高く、有給休暇も好きなように取得できます。そのため非常に優れていますが、「精神的ストレスが大きい」「全国転勤がある」「他の製薬会社のほうが条件は良い」など、さまざまな理由で転職していくのです。

そうしていると、必然的に転職回数が多くなってしまいます。このとき、何度も転職している場合だとMRとして中途採用の求人へ応募するときに問題になるのでしょうか。

結論をいえば、転職回数が多いほど不利になります。そのため、事前に対策を練らなければいけません。ただ、やり方によっては問題なく履歴書をパスし、面接で内定を勝ち取ることができます。

そこで、「転職回数の多いMRが、どのようにして転職活動を進めて内定を勝ち取ればいいのか」について解説していきます。

転職回数が多いMRは転職できるのか

一般的に若い人であるほど転職市場で価値が高く、転職に成功しやすくなります。ただ、中には年齢的に若くMRとしての経験があり、転職の時期やタイミングが問題ないにも関わらず転職が難しい人がいます。それは、転職回数の多い人です。

なぜ、転職回数が多いと不利になるのかというと、「製薬会社やCSOなど求人先の企業は、あなたに長く働いてもらいたい」と考えているからです。転職回数が多かったり、1年ほどの在籍期間しかなかったりすると「この人は同じ会社で長く働くことができず、転職を繰り返すのでは」と思われてしまいます。

人を採用するためには、それだけ労力が必要です。製薬会社側としては、研修やOJTによってMRとして成長させなければいけませんし、中途採用で即戦力を求めている場合であってもある程度の教育は必要です。

こうした事情があるため、転職回数の多い人であるほど採用で不利になります。

転職回数は何回まで許されるのか

それでは、どれくらいの転職回数であれば許されるのでしょうか。これについては転職をした後、2年以上は同じ会社で働く必要があります。そうでなければ、「この人はすぐに仕事に飽きてしまい、私たちの会社に転職しても短期間で離職してしまうのでは」と考えられてしまいます。

少なくとも、直近1年以内での転職はよほどの理由がない限り書類選考に通過することはありません。転職後、1年間は在籍したほうがいいです。

それでは実際のところ、どれだけの転職回数であれば問題ないのでしょうか。

2年以上は働いた後に転職すべきことを考えると、20代のうちに既に3社(転職回数は2回)を経験している人の場合、製薬会社やCSOに限らずあらゆる企業においても受け入れられるのは難しいといえます。

一方、同じように過去2回の転職を行い、3社を経験している人であっても、年齢が30代半ばや30代後半でありMRとしてのスキルや経験も豊富な場合は問題なく面接に進み、内定をもらうことができます。

要は、短い期間で転職を繰り返している人の場合、人間性に疑問をもたれてしまいます。ただ、同じように転職回数が多かったとしても、長く勤めている会社があったり十分な成果を出していたりする場合、転職時に不利になることはないのです。

転職回数は多いが、会社を変えたいときの対処法

ただ、転職を何度も経験しているものの「いまの会社や上司との方針がどうしても合わない」「転勤によって他の県へ異動することになったが、転勤先が受け入れられないので転職したい」など、どうしても会社を変えたい場合があります。そうしたとき、どのようにすればいいのでしょうか。

一般的には、「20代での転職回数が2回(3社を経験)」または「30代では転職回数が3回以上(4社以上を経験)」であると転職が難しくなるといわれています。

転職回数が多いと、履歴書や職務経歴書で「退職理由について述べる」「これまでのキャリアとの一貫性を語る」ときに困ってしまいます。面接では必ず退職理由や志望動機を聞かれるため、このときの回答に詰まってしまうのです。

そこで、転職回数の多い人では「一社当たりの退職理由を30秒以内で話せる」ようにまとめておきましょう。退職するときの理由は人によってさまざまですが、転職を考えるようになったキッカケを短く話せるように整理しておくのです。

また、ネガティブな発言は行わず、必ず前向きな言葉を述べる必要があります。

「結婚後に転職したが、以前の職場は育児に理解がなかった」「学びの少ない会社であり、将来性に疑問を感じた」などを退職理由にしてはいけません。そうではなく、「前向きな理由で退職し、御社であれば自分の想いを実現できる」ように述べましょう。

転職回数が多くても、場合によってはメリットになる

一般的には、転職回数が多いことは大きなデメリットになります。ただ、多くの職場を経験しているということは、「たくさんの会社を見ているため、転職先の会社について客観的な判断ができる」という、他の人にはない視点をもつことでもあります。

例えば、エリア制の製薬会社でずっと働いている人の場合、「専門領域制として一つの分野に特化した製薬会社で働くケースでは、どのように医師に対してアピールすればいいのか」について熟知しているわけではありません。

一方で多くの会社での経験を有するとなると、それだけ異なる社内システムの中で働いた経験があることになります。そこから、「どのような会社システムであれば成果を出せるのか」「MRとして実績を出しやすい営業スタイルは何か」を含めて語ることができます。

何も考えず、単に転職回数が多い場合だと転職するのは難しいです。ただ、何か目的があって結果として転職回数が多くなってしまったのであれば、退職理由を整理することで素晴らしい志望動機につなげることができます。

例えば、「MSと協力し、クリニックの医師を回るよりも、大学病院担当など学術的な情報提供の方が自分にピッタリだということがわかった」という人がいるかもしれません。

その反対に「人間関係の構築が得意なので、基幹病院を含め単なる情報提供で薬の使用を判断してもらうのではなく、人間力を含めた営業を行える診療所担当のMR活動を得意とすることがわかった」というMRもいるでしょう。

人によって経験が異なり、強みも違います。こうしたことについて、何度も転職を繰り返すことで理解することができます。そこで、次の転職先では会社に大きく貢献できることをアピールしましょう。

長く勤められる根拠を述べる

また、次回の転職では長く勤められることを述べなければいけません。

先ほどのように「自分の得意とする営業スタイルをようやく確立できた」という理由でもいいし、「結婚して子供がおり、勤務限定で働けるコントラクトMRとして働き続ける」でもいいです。いずれにしても、根拠をもって長く勤務できる理由を述べる必要があります。

求人先の会社が一番懸念しているのは、前述の通り「どうせ転職したとしてもすぐに辞めて他の会社へ行くのではないか」ということです。こうした疑念を晴らす必要があるのです。

そのためには、あなたが転職で望む結果を明確にしましょう。

  • 年齢が高く体力的に辛いため、内勤を視野に入れている
  • 新薬が出ないため、新薬が出る製薬会社で活躍したい
  • 成果のわりに昇給額が低く、きちんと評価してくれる会社がいい

人によって望むことは異なります。そこで、事前に転職で何を実現したいのかを考えるのです。これら本心の望みをもとにして、次の転職では問題なく長く勤務可能なことを伝えるといいです。

なお、これはオンコロジーMRなどのような貴重な存在でも同じです。ダントツの成績を残している人なら問題ありませんが、そうではなく「オンコロジーMRの経験があるだけの人」の場合、たとえ貴重であっても転職回数が多いほど雲行きが怪しくなります。そのため、慎重に転職理由を考えて長く働けること志望動機にしなければいけません。

年齢に見合った活躍を自己アピールする

当然、ある程度の経験を積んでいるからこそ転職回数が多くなります。大学卒業後に22歳でMRになったとしても、すぐには転職できません。基本的には、1~2年以上の経験年数が必要になります。

これは、そうでなければMRとして使い物にならないからです。例えば、以下は「2年以上の新薬MR経験者」の中途採用です。

このように、少なくとも2年ほどの経験がなければMRとして転職することは難しいです。CRAなどの異業種なら経験1年ほどでも可能ですが、同じMRへの転職の場合、それなりの経験が必要になるのです。

また、たとえ経験者MRであったとしても前述の通り1年以上は同じ会社で頑張ったうえでの転職が適切です。そのため、3社目(転職2回)を経験しているとしても25歳以上になっています。

20代後半以上であるため、MRとしてそれなりに経験を積んでいるはずです。そこで、「これまでの営業実績」「成功体験はなにがあるのか」を含め、どのようなスキルを積んできたのか「棚卸を行う」ようにしましょう。

そうすれば、履歴書や職務経歴書の内容を書きやすくなります。また、面接で突っ込んだことを聞かれたとしても回答しやすくなります。前職の悪口はいわず、前向きな理由を面接で述べながらも自己アピールするといいです。

不利だからこそ戦略的に転職を行う

転職回数が多いとそれだけ不利になることは間違いありません。たとえオンコロジーMRのような貴重な存在であったとしても無駄に多くの会社を経験していると、それだけで面接に呼ばれなかったり、内定を勝ち取れなかったりするのです。

ただ、多くの会社を経験しているとはいっても「どれだけの頻度で転職を繰り返しているのか」が重要です。長く勤めている会社があるならそれだけで評価してもらえます。実際、同じように転職回数が2回であっても、20代と30代では意味合いが異なります。

このとき問題になるのは3年以内の短期離職を繰り返している場合です。そうしたとき、次こそは長く勤務できるように志望動機を考え、自己PRしなければいけません。

MRは、転職が活発で人の出入りが激しいことで知られています。ただ、やはり転職回数が多いと戦略を練らなければいけません。これまでのあなた自身の経験を棚卸して、さらには希望条件を明確にしましょう。そうしたうえで転職サイトを活用すれば、転職で成功しやすくなります。


MR転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!

MRが転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人で求人活動を進めた場合、頑張っても1~2社へのアプローチに終わってしまいます。さらに、自分だけで労働条件や年収、勤務地の交渉まで行わなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに依頼すれば、これまでの企業とのつながりから最適の求人を選択できるだけでなく、あなたに代わって年収や福利厚生を含めてすべての交渉を行ってくれます。

特に製薬業界の場合、情報を表に出せないので非公開求人となっていることがほとんどです。そのため、MRの転職では転職サイトの活用が必須です。

ただ、転職サイトによって「外資系に強い」「中小の求人が多い」など特徴が異なり、保有している会社の求人が違ってきます。そのため複数の転職サイトを利用する必要があります。

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