MRとして開業医の担当になることがあれば、病院担当になることもあります。主に開業医を担当している場合であっても、複数の開業医・病院をかけもちして病院を担当することはよくあります。

そうしたとき、病院では開業医とは異なる営業活動を展開しなければいけません。開業医を担当するほうが人間的な付き合いが多くなり、医師と会いやすいです。ただ、病院担当では思うように医師と会えないケースがたくさんあります。

そこで、病院担当のMRがどのように営業活動を考えて行動すればいいのかについて確認していきます。

病院担当のMRが医師に会えない理由

現在では、開業医であってもアポイント制になるなど会いにくくなっています。ただ、病院ではより医師と会えません。

開業医であれば、患者さんが来なくなる昼過ぎや夕方の診療時間終わりなどで会うことができます。患者さんの数が少ないクリニックであれば、患者さんを診察している間に少しの時間だけ会うことも可能です。

ただ、これが病院で組織が大きくなるほど医師の自由な時間は少なくなります。日常業務の診察以外にも、カンファレンスや医局、学会など行うべきことがたくさんあります。

こうした中で多くのMRが先生と会おうとするために「出待ち」として廊下にズラッと並ぶため、医師は非常に迷惑です。ただでさえ時間がないにも関わらず、多くのMRを相手にしていたら時間がいくらあっても足りません。日常診療に支障をきたしてしまいます。

そのため、必然的にMRへの訪問規制が生まれます。病院の医師にとって、MRに会わないことが質の高い医療を提供する一つのポイントになっているのです。

こうした病院医師(勤務医)の実情を考えると、病院担当MRが医師に会いにくいのは当然だといえます。

開業医のように、一つの施設で先生が待機しているわけではありません。病院では医師は常に動き回っており、時間も限られています。そのため、MRが病院を攻略するときは営業方法を変えなければいけません。

MRは病院内を歩くべき

開業医への訪問であれば、MRが院内を歩き回ることは基本的にありません。狭いクリニックの中で歩き回っていると明らかに患者さんの邪魔になりますし、下手をしたら出入り禁止になります。

ただ、病院では徹底的に歩くようにしましょう。実際のところ、病院内でボーっと突っ立って医師と何とか面会しようと頑張っているMRは多いですが、これではいつまで経っても医師と面会できません。そこで、一階から最上階に至るまで病院内をくまなく歩き回ることを意識しましょう。

前述の通り、病院の医師は開業医のように一か所に留まっているわけではありません。常に病院の中を歩き回っています。そうしたとき、医師と会うためにあなたも一か所に留まって突っ立っているようでは、いつまで経っても目的とする医師に会えません。

病院の場合、病院内を歩けば歩くほど医師と会える確率が上がります。この事実を認識した上で、体力的にはしんどいものの病院の中をたくさん歩きましょう。

医師の行動パターンを把握する

ただ、当然ながら何も考えずに歩いているのでは効率が悪いです。そこで、曜日や時間を変えて歩くようにしましょう。

前任者からの引継ぎはあるかもしれませんが、もちろん最初は病院に関する知識が少ないのでランダムに歩く必要はあります。そうして病院のまわり方を変えていきながら、会議の時間や先生の行動パターンを把握することを意識するのです。

開業医担当とは異なり、病院担当MRはストーカー並みに医師の行動パターンを把握する能力が求められます。例えば、以下のようなものです。

・医師がいつも乗っている車

・病院への出勤時間

・カンファレンスの時間

・アルバイト先の病院や勤務時間

医師がいつも乗っている車が分かれば、少なくとも病院内にいるのかどうかの把握はできます。職員専用の駐車場から医師の出勤が分かるため、目的の医師が出勤していないと分かれば病院を立ち去って他の営業活動に移ることができます。

1日中、医師と会えずに「今日は何も仕事ができていない」と嘆くMRは多いです。ただ、医師の車の有無やナンバーを知れば、そうした確率を軽減できます。

また、病院への出勤時間を知っていれば、その時間を狙って会うことができます。医師の機嫌が良くてある程度の信頼関係を築けていれば、話を聞いてくれます。

カンファレンスの時間についても同様であり、この時間になると医師は廊下を歩いてカンファレンスに向かいます。そのときに同じように廊下を歩いていれば、医師と会える可能性が高まります。

さらに、アルバイト先の病院や時間を把握していれば、医師と会うためにアルバイト先の病院へ出向くこともできます。

このように、医師の行動パターンを把握するようにしてみてください。どの時間に、どの場所で、どの医師がいるのかを理解することは病院担当のMRが必ず行うべきことだといえます。

何度も医師と会い、少しでもいいので話をしていると、会話の中でアポイントを取りやすくなります。当然ながらアポイントを取ってきちんと話をするほど、新規採用の可能性が高くなって営業成績が向上するようになります。

他メーカーの力を借りて医師にアプローチする

また、病院担当MRが大きな成果を出すとき、他の製薬会社MRの力を借りることを忘れてはいけません。特に病院内の実情を詳しくなかったり、勤務医と信頼関係を築けていなかったりする最初の方は他の人を頼ってみることをお勧めします。

前任者があまり病院を回っておらず、情報が不十分であることはよくあります。ただ、そのような病院では「強いMR」とされている人が必ず何人かいるものです。そうした人を味方につけましょう。

前述の通り、営業成績の優れているMRであるほど病院内を歩いています。このとき、多くのMRが出待ちをしているなか、姿を見かけないMRがいた場合、そのMRは病院の他の場所を歩いていて医師と面会しているかもしれません。

要は、そのようなMRは「他のMRが知らない医師の行動パターン」を理解している可能性があるのです。

当然ながら、病院内を歩いて苦労して入手した情報を他社MRに教えることはありません。ただ、そうした成績優秀なMRと飲み友達になれば、意外と簡単に話してくれます。

MR業界というのは、他社であってもMR同士が仲良くしていることは多いです。もちろん、「自社製品と競合していない」という条件は必要ですが、製品同士が競合していない製薬会社は意外と多く、その場合はわりと簡単に仲良くなれるものです。

そこで、前任者からの情報だけに頼るのではなく、大きな成果を出している他社MRと積極的に交流を深めるようにしてみてください。「教えてください」という立場で接すれば、どのように病院を攻略すればいいのかについて非常に有益な情報を手にすることができます。

こうした情報を元に病院内を歩けば、医師と会える確率は格段に上昇します。

他メーカーが主催する会へ出てみる

また、特定の病院に「強いMR」の人であるほど、病院内の医師と何かしらの接点をもっていることが多いです。例えば、勉強会を主催していてそこへ多くの勤務医が集まっていたり、病院医師が参加するテニス練習会があってそこへ顔を出していたりするのです。

そこで、親しくなったそのような他社MRに頼んで勉強会に参加させてもらえれば、そこに出向くだけで多くの医師と親睦を深めることができます。しかも、何時間もの濃い時間を過ごせます。

ゴルフは禁止されていますが、例えば地域で活動している社会人テニスクラブなどへ行き、「たまたま」そこで医師と会うのであれば何も問題ありません。テニスの練習会に参加させてもらえば、プライベートの時間を一緒に過ごせるので素早く信頼関係を構築できます。

もちろん、テニスに限らずこれらはあらゆるスポーツで応用できます。別にスポーツである必要はなく、音楽でも旅行でも問題ありません。

勉強会に参加したり、テニスの練習会に顔を出したりすることについて、これを仕事の一環だとドライ(ネガティブ)に考える人はMRに向いていません。

勉強会では「自分の知識と人脈を広げるチャンスになる」と考え、テニスでは「趣味が一つ増えた」と考えるようにしましょう。成績が優れているMRであるほど、医師との関わりを楽しみながら行っています。

こうしたことを実践していき、医師とアポイントを取ることは非常に有効です。特に最初のころは他人の力を借りることを意識してみてください。

病院ではすべての医師と会うべき

ここまで、どのようにして病院医師と効率的に会い、信頼関係を築き、アポイントを取ればいいのかについて確認してきました。他のMRと同じ行動を取っても意味がないため、頭を使ってどのようにすれば医師と会えるのかを考える必要があります。

ただ、そうして医師の行動パターンを理解したうえでアプローチしていくとき、病院担当MRが必ず意識すべきことがあります。それは、「新規採用や処方に関係している医師だけでなく、すべての医師と会う」ことです。

もちろん、大学病院のような巨大組織であれば、すべての医師に会うのは不可能かもしれません。ただ、大学病院担当のMRではなく500床以下の病院であれば、病院内の診療科に属する主要な先生にはすべてあいさつして当然だといえます。

多くのMRは新規採用や処方に関わる医師だけにアプローチします。ここに大きな勘違いがあり、そのような営業活動をしているから新規採用に結びつかないわけです。

医師のネットワークは狭く、意外に素早く情報が伝わっていきます。これが同じ病院となると、さらにネットワークは狭いです。すべての先生があなたの行動を見ていると考えてください。もっといえば、特定の科にしかアプローチしていない人は、そのような行動を全科の先生が認識しているといえます。

他の先生によって新規採用や処方が決定することはよくある

特定の医師にしか会わないMRであると、当然ながら他の科に属する先生からの印象は良くありません。そうしたとき、実際に薬が新規採用になる場面になって他の科の医師から反対されることにより、採用が見送りになるということはよくあります。

その逆もあり、他の科の医師から口添えしてもらうことで薬が新規採用になることがあります。

例えば、薬の副作用として腎障害や発疹などの副作用が懸念される場合、事前に泌尿器科や皮膚科を訪問してどのように副作用を回避すればいいのか情報提供する必要があります。そうすれば、新規採用のときに泌尿器科や皮膚科の先生から「このようにすれば副作用を回避できるので、その薬を院内で採用しても問題ない」と言ってくれるかもしれません。

消化器系疾患の薬や鎮痛剤などはほとんどの科で処方されるため、すべての医師を訪問する意味の大きさは理解できます。

ただ、特定の領域でしか用いられない薬であっても、すべての先生を訪問しましょう。薬の代謝や副作用まで考えると、あらゆる科で関係あることがわかるようになります。

このとき、「自分の所属する会社は大手ではなく、担当エリアが広く人員も少ない」などと言い訳をしてはいけません。そうした中で工夫し、効率的に医師と会ってアプローチするからこそ、大きな営業成績を残せることを理解する必要があります。

薬剤部を攻略する

また、病院での新規採用を左右するのは院長先生だけでなく、薬剤部長の存在も重要です。薬剤部長に気に入られれば、当然ながらそれだけ新規採用もスムーズになります。

病院ごとにルールは異なりますが、DI室や調剤室などあらゆる部屋に入ることが許可されているのであれば、薬剤師に対しても積極的に情報提供するようにしましょう。

医薬品の配合変化、薬品管理、一包化・粉砕、包装などMRが関わるべき仕事はたくさんあります。必要なときにしか薬剤部を訪問せず、情報提供もほとんどしないという状況である場合、薬剤部とのつながりをもっと密に取るようにしましょう。

医師のネットワークが狭いのと同じように、薬剤部のネットワークも狭いので薬剤師に貢献するだけであなたの良い噂がすぐに広まります。これが薬剤部長の耳に届き、さらには他の医師の耳にも届くようになります。

「病院に強いMRであるほど、薬剤部から信頼を得ている」ことを病院担当MRは認識しなければいけません。

薬剤部からの依頼には素早く回答する

なお、医師からの依頼に対しての回答は早かったとしても、薬剤部からの依頼に対する回答を後回しにするMRが多いです。しかし、前述の通り薬剤部からどれだけ信頼を得ることができるのかによって、その後の新規採用や処方が大きく変わってきます。

実際、「病院薬剤師が医療情報担当者(MR)に望むこと」というタイトルで出された論文には、「不都合とされるMRの行動」について記載されています。その第一位には、「依頼事項に対する対応が遅い」ことが挙げられています。ちなみに、第二位は「訪問回数が少なすぎる」ことです。

これは、それだけ多くのMRが「薬剤部への対応を後回しにしている」という意味でもあります。そこで少しでも薬剤部に力を入れるだけで、他のMRとは異なり薬剤部から大きな信頼を得られるようになるはずです。

薬剤部からの口添えによって医師へアポイントを取れることも多いため、病院担当MRは薬剤部まで視野に入れて営業活動を実践する必要があります。

訪問規制の厳しい病院への攻略法

ただ、中には訪問規制が厳しすぎる病院が存在することも事実です。例えば、病院の敷地内にMRが入ることを禁じているケースがあります。そうしたとき、どのようにアプローチすればいいのでしょうか。

その場合、「どうにかして医師と裏で会えないか」を考えるようにしましょう。

例えば、病院の中に立ち入ることができないのであれば、他の病院で会えば問題ありません。確かに院長先生の場合、一つの病院だけに勤務しています。しかし、それ以外の医師であれば一つの病院だけで勤務していることの方が少ないです。

多くの医師はアルバイトとして他の病院でも勤務しています。そこで、アルバイト先の病院へ出向いて医師と会うことを考えましょう。そうすれば、問題なくあなたが担当を受け持っている病院の医師と会って話をすることができます。

また、担当病院の医師と接点をもつ努力をしましょう。例えば、先に述べたようにテニスの練習会などプライベートで会うようにしても問題ありません。

他には、医師のメールアドレスを知ることができ、そこにメッセージを送れば返信が返ってくるかもしれません。学会に参加して、知り合いの医師を通じて勤務医を紹介してもらえば、少なくとも邪険にされることはありません。

このように、「訪問規制が厳しすぎるから会えない」という言い訳を口にするのではなく、「どのようにすれば医師にアプローチできるか」を本気で考えれば、いくらでもアイディアが出てきます。それらを試していき、自分独自の成功パターンを見出せば病院担当MRとして大きな成果を出せるようになります。

ここまで、MRが病院で営業活動を行うときのコツについて解説してきました。開業医とはMR活動の方法が大きく異なり、医師と会いにくいのが病院だといえます。

ただ、医師と会えないのは他社MRも同様です。条件は同じなので、そうした中で医師と効率的に会う工夫をすれば、簡単にライバルMRを出し抜くことができます。訪問規制のある中で積極的にアポイントを取り、戦略的に新規採用や処方拡大を考えていくようにしましょう。


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