MR業界の中で転職する人は比較的多いですが、私もMRとして活動しているなか、同じように転職を経験したことがあります。

人は人生の中で何度も転職をするわけではありません。そのため、初めての転職であったり、過去に転職経験があったとしてもその回数は少なかったりする人がほとんどだと思います。

そこで、どのようにして転職活動を進め、転職での失敗を防げばいいのかについて、私の体験談を通じてここに記したいと思います。未経験者MRであれ、経験者MRであれ、MRの求人を探して転職するときの参考にしてみてください。

資格のないMRほど将来を常に考えるべき

薬剤師資格をもっているMRであれば、いざとなったらいつでも薬剤師として薬局が採用してくれます。ただ、私を含め国家資格のないMRは資格に頼らずに実力だけで頑張らなければいけません。

そうしたとき、無駄に年齢を重ねて実力のないMRとして過ごしている暇はありません。ただ、当時の私が新卒で入社した中堅製薬会社は新薬がほとんど出ない状況であり、同じ薬のプロモーションばかりを何年も展開していました。そうした状況に私は危機感を常に覚えていました。これが、大手製薬会社へ転職したのが私の大きな転職理由になります。

それでは、どのような経緯で転職活動をしたのかについて以下でより詳しく確認していきます。

恵まれていると感じた新人MR時代

新卒でMRとして入社した私の最初の勤務地は岡山県であり、都会から離れたのどかな街でMR活動をすることになりました。

実際にMRとして活動したときに感じたことは、「この業界は意外とクリーンなだ」ということです。接待は禁止されていますし、ゴルフに誘われることもありません。仕事を行う上でこれといった大きな不満はありませんでした。

MRというと、「医師の先生にこき使われて大変」「激務なので常に仕事をしなければいけない」と世間一般的にいわれますが、本当かなと思う部分があります。確かに講演会の日は夜が遅くなりますし、学会などで忙しい毎日が続くときもあります。ただ、忙しい日が続くことがあるのはどの営業職でも同じです。

私の知人に不動産営業マンがいるのですが、毎日のように得意先と自腹で飲みにいっています。当然、土日は常に営業活動に追われています。それでいて、MRに比べると非常に給料が低いです。

こうした同級生に比べると、MRは高年収で有給休暇を問題なく取得でき、何て恵まれているのだろうと感じたものです。基本は直行直帰で自由な時間が多く、全国転勤さえ目をつぶればMRはかなり良い職業です。

ただ、3年ほどMRとして勤務して仕事に慣れ始め、自分の意思で活動しながら営業成績を残せるようになったときに気づいたことがありました。それは、いつも同じ薬のプロモーションばかりしており、日々の変化が乏しいということです。

周囲の他社MRをみると、定期的に新薬が発売されたり適応追加があったりするので「どのように医師へアプローチするか」「新薬の良さを得意先にアピールする方法」などを必死で研究していました。一方で私はどうかというと、中堅製薬会社のためか私が入社した年に発売された薬のアピールばかりしていたのです。

新薬が出ない状況に危機感を覚える

小規模や中堅の製薬会社MRとして勤務している人であれば理解してもらえると思いますが、どうしても新薬の数が少なくなります。製薬会社によっては、まったくというほど新薬が出てこない会社があるほどです。

私の会社も新薬が極端に少なく、1つの薬(入社年に発売された薬)をどれだけ売ったのかが営業成績評価の6割以上を占めるため、必然的にその薬ばかりアピールする必要がありました。

40代や50代のベテランMRであれば、勉強する範囲が狭く常に新しい知識を仕入れる必要がないため、むしろ新薬の数が少ない方が好都合かもしれません。ただ、20代のうちは多くのことを経験して自分自身のレベルを引き上げる必要があります。

そうしたことから、働く環境としては良かったものの会社の将来性や自分自身のスキルアップを考えたとき、「転職」という言葉が思い浮かぶようになりました。

転職サイト(転職エージェント)を活用し、活動を開始する

転職活動をするとき、「人づて」で転職する人はたくさんいます。MRは他社の人と接する機会が多いため、スカウトを含めそうした話が舞い込んでくることが多いです。

私もそのように人脈を使って転職をしようかと考えましたが、最終的にはやめることにしました。転職していったMRの人たちに連絡を取って話を聞いてみると、転職サイトを利用した方がメリットが大きいと感じたからです。

人脈を使う場合、利点としては「最初の書類選考に通過する」くらいのみになります。そして、その後の面接などは他の人と同じ土俵で戦わなければいけません。

さらに重要なのは、年収や勤務地、福利厚生を含めて大企業を相手に自ら交渉する必要があります。希望の求人先から内定をもらったとしても、年収や勤務地などの条件が合わず、せっかく転職して入社した会社を数年で辞めてしまっては意味がありません。

もちろんスカウトによって良い転職を実現したMRはいるものの、それ以上に後悔しているMRもいたのです。

また、製薬会社は情報を表に出すことを嫌うため、基本的に非公開求人となります。自力で求人を探す場合、非公開求人へアプローチすることは不可能なため、私は転職エージェントの力を借りることにしました。

新たな自分の可能性を探り、求人へ応募する

なお、私は5社ほど転職サイトに登録しました。実際には5社も登録する必要はないかもしれませんが、それでも複数社は必ず利用した方がいいと実感しました。

実際に転職サイトで非公開求人を確認すると、「外資系製薬会社に強い」「小規模や中堅製薬会社の求人がたくさんある」「CRA(臨床開発モニター)や医療機器営業など、他の職種も多く取り扱う」など、転職エージェントごとに取り扱う求人が大きく異なっていたのです。

私の場合、ジェネリックメーカーや中堅製薬は除外することになります。そうなると外資系や内資系を含め、大手企業の求人へエントリーすることになります。

ただ、転職エージェントの人から「CSO(コントラクトMR)であれば、さまざまな新薬(プロジェクト)を経験できます。しかも2~3年ごとにプロジェクトが変わっていくため、たくさんの経験値を積めますがどうでしょうか」という提案をもらいました。

正直、それまでの私はCSOへ転職するという選択肢はありませんでした。ただ、新薬を経験して自分のスキルを磨くという意味であれば、確かにコントラクトMRを目指すのも悪くはないのではと考えるようになりました。

そうして、結局のところ複数の転職エージェントを活用しながら外資系や内資系の製薬会社だけでなく、CSOの求人にもエントリーすることになりました。

企業ごとに応募内容を変える

求人へ応募する以上、採用されなければ意味がありません。そこで、転職サイトのコンサルタントのアドバイスを受けながら履歴書を書いたり面接対策を実践したりすることになります。

このとき、私は応募先の企業によって志望動機を変えることにしました。

私の場合、当時勤めていた会社ではエリア制MRであり、糖尿病や整形領域などの薬を主に取り扱っていました。同じように糖尿病や整形の新薬を取り扱っている製薬会社の求人へ応募する場合、そのまま私の実績をアピールすれば問題ないため、志望動機にはそこまで困りません。

ただ、そうした領域を強みにもっていない製薬会社の場合は志望動機をよりしっかりと考えなければいけません。実際、面接のときは面接官から深く突っ込まれて少し困ったこともありました。

その会社の一次面接はうまく突破したものの、やはり自分の担当とは違う会社(私の場合、糖尿病や整形に強みをもたない製薬会社)では志望動機や退職理由をより深く考える必要があると実感したものです。

そこで私の場合、周囲にいる仲の良い他社MRにヒアリングして、「自分が経験したことのない領域の話」「他社MRの社内状況」「営業評価の方法」などを詳しく聞くようにしました。「糖尿病や整形に強みをもたない会社」へ応募するとき、ヒアリングした内容から志望動機や退職理由を考え出していました。

CSOについては、「数年で担当新薬が変わり、多くのプロジェクトを経験できる」「CSOの中でも、業界最大手CSOの御社でレベルの高い同僚の中で活躍したい」などのような志望動機にしました。

「全国転勤あり」の人は重宝される

私の場合、転職での希望条件は以下のような感じでした。

・新薬をたくさん経験できる現場に身を置きたい

・年収は現状維持か上がるのが望ましい(中堅製薬会社なので、大手に転職すれば年収は上がる)

・実力主義の外資系製薬企業でも問題ない

・全国転勤は大丈夫

転職エージェントの人の話によると、MR転職の場合、たとえ営業成績の優れた経験者MRであっても勤務地を限定させると急に転職が難しくなるようです。もちろん、勤務地を考慮してくれる製薬会社やCSOの求人は存在するものの、求人の数自体が少なくなるとのことでした。

全国転勤自体は問題なかったので、私はどの土地で働くことになっても大丈夫でした。希望条件としては、そこまで難しい条件を提示しているわけではありません。そのため、面接自体はわりとスムーズでした。

また、転職の前年に新たな診療所が開局し、そこの担当になって運よく大口得意先になったことからMRとしての実績は好調でした。こうしたこともあり、4社ほど応募してみて「大手内資系メーカー」と「最大手CSO」の2社から内定をもらうことができました。

どちらに入社するのか迷いましたが、MRとしての経験や会社の成長性、年収、福利厚生などを総合的に考えて大手内資系メーカーへ入社することにしました。

なお、年収の交渉など、言いにくいことはすべて転職エージェントが代行してくれたため、結局は転職によって100万円以上の年収アップも実現できてしまいました。現在、その会社のMRとして東京都内で勤務しています。

優先順位を明確にした後に転職すると良い

ここまでが、実際に私が経験したMR転職での体験談です。転職サイトを活用することで非公開求人の中から求人を選べただけでなく、「CSOという選択肢はどうか」と新たな選択肢を広げてくれました。

年収や勤務地の交渉なども行ってくれたため、結局のところ予想以上の転職を実現することができました。

もちろん、「年収アップを目指す」「女性として働きやすい職(異業種)に就きたい」「内勤業務など、勤務地限定の職業が良い」「いまは違う職に就いているが、MRとして復帰したい」など、転職サイトを利用する理由は人によって異なります。

ただ、いずれにしても「何を望んで転職するのか」という優先順位をつけ、転職するといいです。例えば勤務地限定を目指す場合、年収が大幅に下がることは覚悟しなければいけませんし、MR以外の職まで検討しなければいけません。

こうしたことを理解したうえで転職エージェントを活用すれば、良い求人に巡り合えるようになります。

異業種からMRになる人は多い

また、経験者MRに限らず異業種からMRになる人も多いです。例えば、私といつも接していた医薬品卸MS(医薬品卸の営業)の人が、いつの間にかジェネリックメーカーのMRになっていたことがあります。

他には、保険の営業や自動車のセールスマンがMRへ転職するのは一般的ですが、私が知っている人の中では「前職でホストをしている人」がいました。ホストも女性に対して自分を売り込む「営業職」だと考えると、問題なくMRへ転職できたのでしょう。

ちなみに、元ホストの人はCSOのコントラクトMRとして活躍していました。女性に対して細かい気づかいをして、厳しい上下関係のあるホストの世界で生き抜き、さらには完全歩合制であることを考えると、MR業界は非常に優れていると彼は話してくれました。

MRは接待が禁止されているため、ホスト時代に培った彼の酒の強さや接待での心遣いが活かされることはありませんでした。ただ、それ以外の部分で医師や薬剤師に対する気遣いを発揮し、彼は優れた営業成績を残していました。

こうしたホスト経験の人は珍しいものの、MRにはさまざまな人がいます。転職理由は異なりますが、時間的な自由度が高く、高年収を実現でき、問題なく有給休暇を消化できるのがMRです。

「同じMR業界で転職したい人」「MRから異業種を目指す人」「異業種からMRを考えている人」を含め、今回の私の転職体験談が参考になればと思います。

転職に当たって譲れないポイント(優先順位)をピックアップした後、「相手企業が何を望んでいるのか」を戦略的に考えたうえで志望動機や退職理由を述べれば、あなたが望む転職を実現できるはずです。


MRが転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイト(転職エージェント)を活用します。自分一人で求人活動を進めた場合、頑張っても1~2社へのアプローチに終わってしまいます。さらに、自分だけで労働条件や年収、勤務地の交渉までしなければいけません。

一方で専門のコンサルタントに依頼すれば、これまでの企業とのつながりから最適の求人を選択できるだけでなく、あなたに代わって年収や福利厚生を含めてすべての交渉を行ってくれます。

特に製薬業界の場合、情報を表に出せないので非公開求人となっていることがほとんどです。そのため、MRの転職では転職サイトの活用が必須です。

ただ、転職サイトによって「外資系に強い」「中小の求人が多い」など特徴が異なり、保有している会社の求人が違ってきます。そのため複数の転職サイトを利用する必要があります。

以下のページで転職サイトの特徴を解説しているため、それぞれ転職サイトの違いを学ぶことで、転職での失敗を防ぐことができるようになります。

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