営業職は信頼関係が重要だといわれています。なぜかというと、どれだけ信頼されているのかによって営業成績が大幅に違ってくるからです。これは製薬会社のMRも同様です。医師と良好な人間関係を作り、医師にとって特別なMRになれば医師とアポイントを取りやすくなります。

現在は訪問規制が厳しいため、MRは医師と会いにくくなっています。ただ、医師と信頼関係を構築すれば訪問規制があったとしても問題なく会えるという現状があります。

そこで、どのようにして医師にとって特別なMRとして営業活動を展開すればいいのかについて確認していきます。

製品説明ばかりをしない

特別なMRになる第一ステップとして、自社製品の説明をやめることがあげられます。多くのMRは薬の良い説明ばかりを行います。さらには、何社ものMRに同じような話をされると医師はうんざりしてしまいます。

そのため、どれだけ医師を訪問して会う回数を増やしたり、知人の紹介によって何とか医師と会ったりしたとしても、薬の説明ばかりをしている時点で医師の時間泥棒をしているといえます。

医師は多忙を極めます。そうした限られた時間の中、「MRであるあなたと会話をするメリットは何か」を本気で考えなければいけません。残念ながら、一方的に自社商品の説明ばかりをする人は医師にメリットを提供しているどころか、無駄に時間だけを奪っているのでマイナスの行為をしているといえます。

そこで、医師のニーズ(=医師が困っていること)を会話の中で引き出すようにしましょう。そうしたニーズに対して、MRとして情報提供によって解決することができれば医師から重宝されます。

例えば、学会参加を控えている意欲的な先生に対して、社内の学術部門を活用しながら演題に関係する最新の文献を手配すると喜ばれます。医療の最新情報は常に変化するため、情報収集をMRが代行することで医師の手助けをするのです。

このように医師を助けて感謝されることを第一優先にすることが、特別なMRになる最初のステップです。これを行えていなければ、どれだけ医師との面会数を増やしても営業成績は伸びにくいと考えた方がいいです。

目的の医師以外も訪問する

次にMRが意識すべきこととして、「目的とする医師」だけでなく他の人にも積極的に会って情報提供することがあげられます。これにより、他の人から協力を得ることができます。

このときアプローチすべき医療関係者としては、医師と親密な関係にある人であるほど良いです。「あのMRにはいつもお世話になっていて良くしてもらっている」というように、医師と親密な関係にある人から口添えしてもらうようになれば、医師はあなたのことを信頼するようになります。

あなたが何度も医師と面会して信頼関係を築こうとするよりも、医師と親密な関係にある人からあなたの宣伝をしてもらう方が効果は絶大です。

MRが情報提供するべき、そのような対象として、薬剤師や看護師が挙げられます。ただ、薬剤師や看護師に対応するのはMRとして普通です。むしろ、薬剤師や看護師を無視しているMRで営業成績の優れている人は存在しません。

そこで、さらに上の営業成績を残すためには、医師にとって「意外な人物」からあなたの名前が出るように仕向けましょう。

例えば、医師や薬剤師、看護師に比べると医療事務のスタッフはあまり相手にされない存在であり、気にかけるMRは皆無に等しいです。ただ、レセプトで算定される方法など、MRだからこそ医療事務スタッフに情報提供できることはたくさんあります。

医療事務スタッフなどは、一見するとあなたが情報提供する価値がまったくないように思います。ただ、そうしたスタッフであるほど気にかけられたことがないため、MRであるあなたが気にかけるようになると感動してくれます。その結果、医師に対して「あのMRは素晴らしい」と勝手に伝えてくれるようになります。

また、同じ職場のスタッフだけでなく、外にも目を向けるようにしましょう。医師の家族は同じように医療関係者であることが多いため、そうした人にアプローチするのです。

例えば、トップ成績を残している知り合いのMRは目的の医師にアプローチするため、「小児科を経営している奥さん(医師)」へ通っていました。

小児科であるため、抗生物質や抗アレルギー薬を取り扱っているMRでない限り、わざわざ通おうとは思いません。

そうした中、そのMRは循環器や疼痛が担当にも関わらず、小児科に何度も通っていました。そうしているうちに奥さんから信頼されるようになり、目的の医師(旦那)から「いつも妻がお世話になっている」と言われるようになったといいます。

今回は奥さんだったわけですが、もしかしたら「薬剤師の息子」や「医療事務の娘」がキーになるかもしれません。「担当施設でないから」「自分が担当する薬剤とは異なる科だから」という理由で訪問しないMRは大きな損をしているといえます。

いずれにしても、医師にとって非常に身近ではあるものの、意外な人物からあなたの名前が出るように仕向けましょう。そうすれば、一気に医師から信頼してもらえるようになります。

天候の悪い日であるほどチャンスである

また、他社のライバルMRが休んでいるときであるほど、営業成績の優れているMRは医師と面会しようとします。なぜなら、この方法であると簡単に医師とアポイントを取って面会することができ、あなたの話を聞いてくれるようになり、さらには信頼してもらいやすくなるからです。

例えば、大雪警報が出されて歩くのも困難であったり、大型台風がきて暴風警報が出されたりしているとき、あなたはどのように行動するでしょうか。

実際のところ、多くのMRはこの日に仕事をサボろうとします。「大雪の中で車を運転するのは危険だから、今日はゆっくりしよう」などのように考えるのです。

ただ、いつでも有給休暇を取得できたり、仕事をサボったりできるMRとは異なり、営業日であれば病院やクリニックはどのような天候であっても患者さんを受け入れる必要があります。

もちろん、そうした天候の悪い日は患者さんの数は少ないです。また、いつもは多くのMRが並んでいる病院やクリニックであっても、MRがほとんどいません。

そうしたとき、いつもであれば会えない医師であっても問題なく面会してくれます。患者さんやMRが少なく、いつもは忙しい医師が暇を持て余している確率が非常に高いからです。また、悪天候のなかでわざわざ面会にきてくれたMRを会わずに突き返す医師はほぼいません。

むしろ、「こうした日によくきてくれたな」とあなたのことを信頼してくれるようになります。天候が悪く、他社のライバルMRが動いていないときであるほどチャンスだといえます。

他社MRが休んでいるときに働くべき

同じことは、年末年始やGW(ゴールデンウイーク)、お盆など多くの人が大移動するときにもいえます。こうしたときほど、トップMRは医師を訪問しています。

休みが長く続く日は、医師と会うことはできないだろうと多くのMRが決めつけています。ただ、本当にそうでしょうか。

実際に医師に対して「年末年始やGWなどの休みはどのように過ごすのか」を聞いてみると、休みの日も病院やクリニックに出勤している医師は意外といます。書類整理など、日々の診察がない日でしか行えないことを済ませるのです。

多くのMRは長期休暇のときに休もうと考えますが、そうしたときは通常では会えない医師と面会できるチャンスだといえます。日々の診察で忙しい先生であっても、長期休暇のときは時間的な余裕があるからです。

もちろん、そうした日に面会した場合は先生から「よくこんな日に働いているな」と感心されます。他のMRがダラダラと休んでいるなか、こっそりと医師と会って信頼関係を築けるようになるのです。

普通の日にMRは休むべき

当然ですが、長期休暇のときに医師と積極的に面会するべきとはいっても、「MRとして休みなしで働かないといけない」という意味ではありません。ライフワークバランスを考え、MRはしっかりと休みを取るべきだといえます。

MRというのは、いつ休みを取っても日常業務に大きな支障はでません。有給休暇は取りたい放題ですし、実際のところ仕事をサボっていても誰も分かりません。

そこで、「長期休暇を含め他社MRが休んでいるときは頑張って働き、それに代わる休み(代休)を特別なイベントがない普通の日に取ればいい」ということです。

他のMRと同じことを実践していても、医師からはまったく相手にされません。ライバルMRとは違う行動をするからこそ、大きな結果を出せるようになるのです。特に天候が悪かったり長期休暇が続いたりするなど、特別な日でしか会えない医師がいることを理解する必要があります。

しかも、そうした日を活用して医師と面会することを考えるほど、人間関係を作りやすくなります。医師から信頼してもらうためには、こうした他の人が実行しないことを考えて行うべきだといえます。

特別なMRになると、どのようになるのか

それでは、他のMRよりも医師と良好な信頼関係を築くことができればどのようになるのでしょうか。この場合、より医師と面会しやすくなり、営業活動を行いやすくなります。

例えば開業医担当のMRがクリニックを訪問するとき、受付の人に「先生はMRとの面会を断っていますので」などのようにいわれます。医師と会えずに、そのまま退散するMRはたくさんいるのです。

ただ、きちんと信頼関係を築けていれば、たとえ他のMRに対して「面会できない」と断った直後であったとしても、あなたに対しては問題なく会ってくれるようになります。

訪問規制を突破できるMRになるべき

これについては、訪問規制のある得意先も同様です。クリニックで訪問規制がある場合、ルールでは院長先生一人だけなので簡単に会えるようになります。病院であっても、院内で会えない場合はバイト先の病院などで会うことが可能です。

もちろん、これは「業界ルールを破れ」という意味ではありません。MRは公正競争規約やプロモーションコードなど、守るべきルールがあります。

ただ、ある程度までは厳守する必要があるものの、訪問規制を含め完璧に守る必要はありません。本当の意味ですべてのルールを守っていれば、何も営業活動することができません。そこで適切にルールは守りつつも、「例外」を作るようにするのです。

例えば、訪問規制があったとしても、あなたが医師にとって例外的な存在になればいくらでも医師と会えるようになります。たとえ病院内で会えなかったとしても、他のカフェであったり、同じ趣味を共有してプライベートで会ったりしても問題ありません。

最初の信頼関係が重要

ただ、そうはいっても最初のきっかけ作りが最も大変です。ここまで述べてきたことをすべて実行するにしても、悪天候の日や長期休暇などはたまにしかありません。そこで、日々の営業活動の中でアポイントを取り、医師の役に立てるように行動する必要があります。

医師にアポイントを取ろうとしても会えないとき、手紙やメールなども活用して何度もアプローチするようにしましょう。5回アプローチしてもダメな場合、さらに10回や20回以上頑張るなど諦めない姿勢をみせるようにするといいです。

成績の悪いMRに共通しているのは、簡単に諦めていることがあります。もちろん、単に医師へアポイントを取ろうとしても意味がないため、「先生が欲しているであろう文献を持参する」など、先生があなたと会うことにメリットを感じてくれそうなものを考え、提案しなければいけません。

また、医師によって会ってくれる方法が異なるため、「訪問する」「メールを送る」「直筆の手紙を書く」「知人を伝って紹介してもらう」「医薬品卸MSに協力してもらう」など、アイディアの数だけアプローチ法を思い浮かべることができます。

こうした中で医師と会い、医師のニーズを探って情報提供し、その上で「目的の医師以外の関係者にも情報提供する」「大雪の日であっても訪問する」「長期休暇しか会えない医師へアプローチする」など他のMRが行わないことを積極的に実行すれば、特別なMRとしてさらに活躍できるようになります。

他のMRが実行していないことで、MRとしてあなたが医師に貢献できることには何があるでしょうか。これを必死で考えるようになれば、結果的に大きな営業成果を残せるようになります。


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